虚構と巨人〜外野席から見たジャイアンツ

盲目にならず、他球団から見たジャイアンツという視点で書くジャイアンツ観察日記

希望なき敗戦

オリックスの2勝で迎えた第3戦。

ジャイアンツは戸郷に先発を任せて、試合を託した。

今日負ければ、最大6あった貯金は無くなり振り出しに戻ることになる。


オリックス先発の曽谷と投げ合い、両チームとも得点ならず。

均衡を破ったのはジャイアンツだった。


4回表、ジャイアンツはオコエの単打と盗塁で何とか形を作り、丸のタイムリーで先制点。

だが、それは膠着した試合を動かしただけに過ぎなかった。


5回裏、オリックス打線が牙をむいた瞬間、巨人の希望は一瞬で吹き飛ぶ。

立て続けの三連打で追いつかれたかと思えば、森、頓宮、西川に立て続けにタイムリーを浴びて、わずか数分で5失点。

試合を壊したのは、他でもないジャイアンツ自身だ。


戸郷は、先発の責任すら果たせず5回を投げきりベンチに下がる。

既に、戸郷をエースと呼ぶ者は皆無に等しいが、ベンチに下がるその背中には、エースの風格など微塵もなかった。


6回には山田が登板するが、気持ちの整理もつかぬうちに中川に一発。あまりにも軽い。勝負に臨む緊張感の欠如は、まさに阿部采配の弊害だ。


8回になると、呆然として声も出ない。

阿部は、敗戦処理の平内をマウンドに送り出す。

2020年のドラ1も今やこの扱いとは、巨人の育成力の底を見れた気がする。

そして期待通り、いや予想通りの三連打で2失点。これで完全にゲームセットだ。


7回、かろうじて打線が4安打で2点を返すも、ベンチの判断がそれを全て台無しにする。

平内を投げさせた時点で、試合は放棄されていた。指揮官自ら白旗を掲げてどうする。


そして問題は捕手。今季、ソフトバンクから移籍してきた甲斐拓也に、批判が集中している。当然だ。

もともと打撃は期待されていなかったが、かつて誇った甲斐キャノンも影を潜め、盗塁は防げず、リードも見透かされる始末。全盛期の残像だけで試合に出ているようなものだ。


それでも甲斐を使い続ける阿部の判断は、不可解を通り越して無責任。

チームの屋台骨を支えるはずの捕手が崩れていては、試合など作れるはずもない。


だが、そもそも今の巨人捕手陣に「これ」と言える選手などいない。皆、抜きん出てるものを持っていない。

誰を使ってもミスが出る。そんな中で、阿部慎之助は、ただ日替わりで、選手を並べているだけだ。


交流戦最下位。この言葉が現実味を帯びてきた今、チームを再建するには、阿部慎之助という男を外すしかないのではないか。

そう思うファンは少なくないはずだ。